投資の世界では「リスクを取らなければリターンは得られない」とよく言われます。
たしかに正論です。でも、子どもが生まれて守るべきものができてから、**「どこまでリスクを取っていいのか」**その線引きが急にわからなくなった……そんな経験はありませんか?
SNSで見かける「億り人」や「ハイレバレッジな成功談」を真似して、もし教育資金が目減りしたら? 暴落のストレスで子どもに笑顔で接せられなくなったら?
この記事では、子持ち会社員の私が、リスクを「減らしすぎず、取りすぎない」ために実践している考え方を正直に書きます。数字上の損得以上に大切な「心の平穏」を守る投資術についてお伝えします。
子持ち会社員にとっての「本当のリスク」とは?
投資のリスク=「価格の変動(ボラティリティ)」と説明されることが多いですが、現役世代の親にとってはもっと切実なリスクが3つあります。
① 収入の土台が揺らぐ「労働不能リスク」
会社員である以上、自分の体調不良、家族の介護、あるいは会社の業績悪化による配置転換やリストラのリスクは常にゼロではありません。「給与という安定した入金」が止まる可能性を計算に入れておく必要があります。
② 逃げられない「確定コスト」の存在
独身時代と違い、以下の支出は投資の状況に関わらず毎月発生します。
- 住宅ローンや家賃
- 保育園・塾・学費
- 食費・光熱費
これらの固定費と投資リスクを同時に膨らませる(=フルレバ投資など)と、精神的な耐久力が一気に削られます。
③ メンタルが壊れ、家庭に影響が出るリスク
これが見落とされがちですが、最大のリスクです。
- 含み損が気になり、公園で子どもと遊んでいてもスマホをチェックしてしまう
- 暴落時にイライラして家族に当たってしまう
- 不安で夜眠れなくなる
投資で失敗する最大の原因は「数字」ではなく「メンタル」の崩壊です。
| 比較項目 | 一般的な投資の理論 | 子持ち会社員のリアル |
| リスクの定義 | 価格の上下幅(ボラティリティ) | 家計が破綻する可能性 |
| 重視する指標 | 期待リターン・効率性 | 精神的な平穏・キャッシュフロー |
| 暴落時の対応 | 「買い増しのチャンス」 | 「教育費は大丈夫か?」という焦り |
| 投資の目的 | 資産の最大化 | 家族の選択肢を増やすこと |
| 失敗の定義 | 利回りが市場を下回ること | 相場が気になり家族への余裕を失うこと |
リスクを「取りすぎない」ための3つの具体策
リスクゼロを目指すのではなく、**「リスクをコントロール下におく」**ために私が意識しているポイントです。
① 生活防衛資金は「絶対に」投資に回さない
- 目安:生活費の6〜12か月分
- 役割:増やすためではなく、家族を「守る」ための聖域
この現金が銀行にあるだけで、相場が荒れても**「最悪、これを切り崩せば生きていける」**と冷静になれます。
② 「人生全体のバランスシート」で考える
「ローンの金利より投資の利回りが高いから、繰り上げ返済せずに投資に回すべき」という論理があります。しかし、現実はそう単純ではありません。
- ローン = 確実なマイナスの資産
- 投資 = 不確実なプラス(またはマイナス)の資産
借金(負債)と投資額のバランスを客観的に見ることで、身の丈に合わない無理な投資を防げます。
③ 「最悪のシナリオ」を解像度高く想像する
投資信託を買う前に、自分にこう問いかけます。
- 「もし明日、資産が50%になったら?」
- 「その状態が、子どもの入学時期まで3年続いたら?」
- 「それでも家族と笑って夕食を食べられるか?」
耐えられないと直感したなら、それはあなたにとって「取りすぎ」のリスクです。
| リスクの状態 | メンタルのサイン | 取るべきアクション |
| リスク過剰 | 仕事中もスマホでチャートを見てしまう。暴落時に夜眠れない。 | 迷わず投資額を減らす。 現金比率を高める。 |
| 適正リスク | 相場が下がると少し凹むが、日常生活や睡眠には影響がない。 | そのまま積立を継続。 良いバランスです。 |
| リスク不足 | 資産が全く増えないことに焦りを感じる。 | 余剰資金の範囲内で、少しずつ投資額を増やす。 |
NASDAQ100など「値動きの激しい指数」との付き合い方
成長性の高いNASDAQ投資などは魅力的ですが、ボラティリティも大きいです。私は以下のルールを徹底しています。
- 一括投資はしない: 時間分散(積立)で取得単価を安定させる
- 生活費と分ける: 10年以内に使う予定のお金は入れない
- 短期で結果を求めない: 「資産形成のスピード」より「継続できる設計」を優先する
まとめ|「夜ぐっすり眠れるか」が最高の投資基準
私が最後に行き着いた基準は、とてもシンプルです。
「その投資をしていて、夜ぐっすり眠れるか?」
- 相場が下がっても、枕を高くして寝られる
- 家族の前で不機嫌にならない
- 投資を「生活の主役」にしない
これを崩してまで追うべきリターンなど、この世には存在しません。
投資の世界では派手な成功談が目立ちますが、**子持ち会社員にとっての勝者は「最後まで市場に居続け、家族を守り抜いた人」**です。
あなたへ
もし今、投資に対して不安を感じているなら、それはあなたの感覚が正常な証拠です。
周りと比べる必要はありません。焦る必要もありません。 あなたと、あなたの大切な家族が、明日も笑顔で過ごせるための投資を続けていきましょう。
本記事は投資判断を目的としたものではなく、情報提供を目的としています。投資は自己責任でお願いします。


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